重い飛行機雲 太平洋戦争日本空軍秘話 (文春文庫) 渡辺洋二 (著)
覚醒剤を投与され続けた夜間戦闘機のパイロット、味方に撃墜され北溟の海に消えた真珠湾のヒーロー、玉音放送の直前に飛び立ち還らなかった特攻隊員。さらに戦後も永く反乱軍の汚名を着せられた厚木抗戦事件の真相など、戦史の闇に埋もれかけた人々の姿が活き活きと甦る。戦争とは何か?戦うことの意味とは。
・四十五年目の真実
・さいはて邀撃戦
・敵国から凱旋
・激突の果てに
・特攻隊、海軍にただ一つ
・主戦場は夜の沖縄
・空と海で特攻2回
・新選組隊長の討ち死に
・「流星」の名のごとく
・最強の防空部隊・302空
・302空の最後艦長です。古本屋さんで購入しました。
日本に空軍はありませんでしたが
「海軍と陸軍の航空兵力」を短く表現したかったからだそうです。
いやぁ~綿密な取材を通して知りえたことなんですね。
302空はあの「厚木の航空隊」の話です。
艦長は戦記はいろいろ読んできましたが
知らないことがやはり多いですね。
興味のある方は読んでみてください。

艦長は 「流星」の名のごとく を読んで落涙しました。
昭和20年8月14日に出撃した2機の流星改、特攻です。
指揮官機は機体不調で基地に帰ろうと僚機に合図しますが
僚機はそのまま進撃していってしまった・・・
指揮官は戦後も長くこのことで自身を責め続け苦しむ・・・
戦後、不治の病で病床に臥したこの指揮官は臨終間際に夫人に言うのである。
平成二年の夏・・
「おい、お前、アマゾン川だ、アマゾン川。今からこれを渡る。
向こう側に戦友が待っている。あーっ縄田機が(僚機のパイロット)突入していく!
見えるだろう、俺も行くんだ。俺は14日に死んだんだ」
二日後、氏は逝去した。14日に死んだとは、15日からあとの自分は
自分ではないとい、という意味だろうか・・。
出撃してふたたび帰らぬ流星の群れ。最後の一機の後を追って
彼岸の園へ発進していった。