わたしが・棄てた・女 (講談社文庫) 遠藤 周作 (著)
2度目のデイトの時、裏通りの連込旅館で体を奪われたミツは、その後その青年に誘われることもなかった。青年が他の女性に熱を上げ、いよいよ結婚が近づいた頃、ミツの体に変調が起こった。癩の症状である。……冷酷な運命に弄ばれながらも、崇高な愛に生きる無知な田舎娘の短い生涯を、斬新な手法で描く。艦長です。大学1年生の時に読みました。読む本が切れたので蔵書の片隅で眠っていた本を何気なく引っ張り出して再び読んでみました。有名な内容なんであえて詳しくは語りませんが。
昔のことが、艦長のことですが、その頃のことが胸に迫ってきました。再び開けてしまった心の苦しみとでもいうか・・・あのころに無理やりというか、胸をつかまれて叩きつけられるというか・・なんかこうね、考えさせられました。あのころの衝撃が再び蘇るというか・・
森田ミツの最期の言葉 「さいなら、吉岡さん。」
きっと今夜は、この言葉を思い出して眠れないでしょう・・・
読んでいた艦長の本の近くにぽたりと雨漏りのようなしずくがたれました・・・
それが艦長が流した涙だったと艦長自身が気づいた・・この事実には少々驚きました。
読んでいない人は読んでみてください。「神の痕跡」がここにはあります。
